お父様が分配型投信で損失を出された方からメッセージがありました

北アルプス雲の平
北アルプス雲の平

お父様が分配型投信で損失を出された40歳代の女性の方からメッセージがありました。

私の父についての以下の記事を見てメッセージを送ってこられました。

父が購入していた毎月分配型投資信託
2018年5月、90歳台後半の父が体調を崩し入院し、その後老人ホームに入りました。 入院しているとき、父が持っていた毎月分配型の投資信託を解約しました。その投資信託について記事にします。 入院して数日たった時、持っている投資信託を解約したい

転載をご了承していただきましたので、全文を紹介いたします。

なお、見出し、段落分けは私が行いました。ご本人様、お父様の年齢は’#’を使いました。

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メッセージ全文

お父様が1年前から分配型投信を始められた…

題名: 分配型投資信託を検索しており本ブログにたどり着きました

ナワキミノさま
はじめてメッセージを差し上げます。

題名にあります通り「分配型投資信託」について調べていたところこちらのブログにたどり着き、興味深く拝読させていただきました。

ナワキミノさまは、お父様が分配型投資信託をされていたとのことですが、実は我が家もよく似た状況にあるため、ついついこうしてメッセージをしたためている次第です。

長文になりますが、お目通しいただけたらありがたく存じます。

我が家は一人暮らしをしている父(現在7#歳)が、今からちょうど1年前に分配型投資信託を始めました。

分配型投資信託の前に 銀行の薦めで一本買いしていた銘柄で大きな損失を出し、代わりに提案されたのが分配型投資信託でした。

担当者の説明を受け即決したわけではなく、契約前に知り合いに相談するなどワンクッションは置きましたし、分配型投資信託の特徴やリスクも理解して始めたはずでした。

月々50〜70万円の分配金を純粋な利益と思い込み…

しかし、毎月の分配金を手にするうちに気持ちが高揚していったのでしょうか。損益率や分配金の内訳(普通か特別か)に無頓着になっていき、購入している銘柄の損益がすべてマイナスになり、ほぼほぼ特別分配になっていたにも関わらず、それを純粋な利益だと思い込むようになっておりました。

額面にして月々50〜70万円の分配、これを投資で成功したお金だと思い込み、またそれに年金も付け加え、ここ1年ほどは現役時代の父では考えられなかったお金の使い方をしておりました。

娘であるわたし(現在4#歳)が結婚して家を出たこと、わたし自身に投資信託の知識がなく父の置かれている状況を正しく認識できていなかったことも拍車をかけ、結果、父の資産はここ1年で1,000万円ほど目減りしました。

うち700万円は、気持ちが大きくなった父が自分で使ったものですが、300万円は純粋な損失です。

損をしている認識がないお年寄りがたくさんいるのでは…

わたしが父の資産状況を知ったのは偶然です。父は、私の説明でようやく事態の全貌を理解できたらしく落ち込んでおりますが、ある意味300万円の火傷で済んだこと(もちろん現在はマイナスの銘柄が将来プラスに転じる可能性もないではありませんが…)、また余剰資金での運用だったので、運が良かったのかもしれません。

しかし最後に。ここまでの損失になってしまったのは、父が銀行を信頼しきっており、担当者がすすめる通りの銘柄を購入し投資を続けてしまったこと、また父自身が高齢になり認知力・判断力が低下してしまったことだと思っております。

ナワキミノさんもブログに書いておられましたが、投資信託で損をしているお年寄り、自分が損をしている認識がないまま投資を続けているお年寄りは、本当に、全国にたくさんいると思います。

現在の後期高齢者がお金をもっていた最後の世代

これは私個人の主観ですが、現在の後期高齢者が日本において『お金をもっていた最後の世代』になると思っております。

それより下の世代はお金がない状態がデフォルトになっているので、その多くが《お金は使わず貯める》、《 お金のかからない娯楽を楽しむ》スタイルにすでに傾いています。

そうすると、国やメディアが、日本経済の行き詰まりを防ぐため、国民に対しお金を使わせる方向に誘導し、銀行や証券会社が、『最後に儲けを出せる世代』への勧誘や販売に熱心になるのも、理屈としては理解できます。

庶民が持てる一番の武器は知識しかない…

だからこそ、庶民が持てる一番の武器は知識しかないのだと思います。資産運用や投資信託をするしないにおいても、自分が勉強するのが一番の自己防衛です。

商品の売り手が、商品の旨味部分をアピールし、えぐ味部分をぼかすのは商売の基本ですから、買い手は、「何の目的でその商品(投信)を買うのか」 「その商品(投信)が本当に自分に必要か」という意識を持ち、運用に成功した未来だけではなく、失敗した未来もイメージするなど、先を見通す眼を自分で養わなければならないと思います。

今回、損をしたのは父であり、わたし個人は関係ないといえばそうなのですが、金融リテラシーを充分に持たない人間に資産運用をすすめる証券会社や銀行、またそのシステムとの付き合い方を学ぶいいきっかけになりました。

本当に長々と失礼しました。

こういう話は、同じ経験をしている人でないとなかなか伝わらないので、ナワキミノさんの記事を拝読し、話を聞いてもらいたくなりました。

お読みいただき、ありがとうございました。

メッセージを拝読して

この方の言われる通り、銀行や証券会社が毎月分配型投資信託などの手数料の高い商品を売りつけて利益を出せるのは、今の高齢者が『最後の世代』になるのでしょう。言い換えれば、このスキームは今後は通用しなくなるということです。

つみたてNISA、iDeCo(イデコ)など、この数年で投資環境は大きく変化しています。長期投資を基本とするインデックス型の投資信託は、手数料の値下げが劇的に進んでいます。

次世代の我々が『金融リテラシーを充分に』もって、『資産運用をすすめる証券会社や銀行、またそのシステム』と付き合っていく必要があると思います。

同じような体験談をお寄せください

私やこの方のような体験は身内には話せても、親しい友人にもなかなか話せないことだと思います。ブログという匿名で発信できる媒体があって、初めて外に出せることではないでしょうか。

もし同じような体験談があればご紹介したいと思っています。メニュー→メッセージより体験談をお寄せいただければ幸いです。